SAPプロファイルパラメータの分類と静的・動的の変更手順

目次

プロファイルパラメータとは

SAPシステムの動作を制御し、システムの構成をカスタマイズするための設定項目です。
SAPシステムが起動する際、これらのパラメータが読み込まれ、設定値に沿った動作でシステムが起動します。

SAP ABAPアプリケーションサーバで利用され、性能の最適化、セキュリティ設定、ユーザセッション管理などの多くの重要な設定を定義することができます。

プロファイルパラメータの分類

プロファイルには3つの分類があり、各分類で定義するパラメータが異なります。

また、プロファイルは下記の順で読み込まれます。

  1. スタートプロファイル
  2. インスタンスプロファイル
  3. デフォルトプロファイル

スタートプロファイル

  • SAPシステムの起動プロセスを定義します。
  • 主にサーバー名やディレクトリ情報など、インスタンス全体に関連する設定を管理します。
  • 例: サービスの起動順序、ログファイルの出力先。

インスタンスプロファイル

  • SAPインスタンス全体のリソース設定を管理します。
  • CPU、メモリ、ディスクスペースなどのリソース割り当てを定義。
  • 例: メモリ管理パラメータ、ワークプロセスの数。

デフォルトプロファイル

  • システム全体に適用される共通のパラメータを設定します。
  • すべてのインスタンスで共有される一般的な設定を管理。
  • 例: ユーザセッションのタイムアウト値、ログイン試行の回数制限。

    プロファイルパラメータ変更手順

    プロファイルパラメータには静的変更と動的変更の2種類があります。

    静的変更:全パラメータが変更可能。再起動しても設定が残る。「Tr-cd:RZ10」から変更する。

    動的変更:一部のパラメータのみ変更可能。再起動した場合静的変更されている値に戻る。「Tr-cd:RZ11」から変更する。

    静的プロファイルパラメータ変更

    静的パラメータ変更の反映にはSAPインスタンスの再起動が必要になります。

    1. SAPシステムへログインします。
    2. 「Tr-cd:RZ10」を実行します。
    3. プロファイル欄にて変更するプロファイルを選択します。
    4. プロファイル編集欄にて「拡張更新」を選択し「変更」ボタンを押下します。
    5. 登録または変更の「パラメータ」ボタンを押下します。
    6. 任意の値を登録します。
    7. 画面上部の「保存」ボタンを押下します。
    8. プロファイル選択画面で再度「保存」ボタンを押下します。
    9. SAPインスタンスの再起動を実施します。
    10. SAPシステムへログインします。
    11. 「Tr-cd:RZ10」を実行します。
    12. プロファイル欄にて変更するプロファイルを選択します。
    13. プロファイル編集欄にて「拡張更新」を選択し「照会」ボタンを押下します。
    14. 任意の値に変更されていることを確認します。

    動的プロファイルパラメータ変更

    一部のパラメータでは次回SAP停止があるまで一時的なパラメータの変更ができます。
    動的変更できるパラメータは「プロファイルパラメータ詳細照会」画面から「動的パラメータ」欄が「はい」になっているパラメータになります。

    また、静的パラメータとして既に登録されているパラメータのみを変更することができ、動的プロファイルパラメータ変更で新規パラメータの追加はできません。

    1. SAPシステムへログインします。
    2. 「Tr-cd:RZ11」を実行します。
    3. パラメータ名に変更するパラメータ名を入力し「パラメータを紹介」ボタンを押下します。
    4. 左上の「値の変更」ボタンを押下します。
    5. 新規値に変更する値を入力し「保存」ボタンを押下します。
    6. 画面上部の「保存」ボタンを押下します。
    7. パラメータ名に変更するパラメータ名を入力し「パラメータを紹介」ボタンを押下します。
    8. 現在値が変更後の値になっていることを確認します。
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